職場で、なんとなく気になる人がいて——
話すと嬉しくて、目が合うだけでドキッとして。
でも、
プライベートの話なんてなかなかできなくて。
LINEを聞くタイミングもつかめなくて。
気づけば、その人のことばかり考えてしまっていた。
👩💼みらい(編集部):
今回紹介するのは、
そんな“職場の片思い”を、
誰にも言えずに終わらせた男性の話です。
「脈ありだったのか?」
「いや、きっとただの勘違いだったのかもしれない——」
そんな未遂の記憶を、静かにたどってみませんか?
📌“好きな人のことばかり考える”あなたにこそ、読んでほしい物語です。
職場で好きな人の存在を“香り”で感じる朝
オフィスのドアが開いた瞬間、ふわっと香った。
甘すぎない、でもどこか記憶に残る匂い——
その瞬間、俺の中のセンサーが勝手に反応する。
「いるな、今日も。」
彼女の姿をまだ見ていないのに、
香りだけでわかるようになっていた。
いつの間にか、彼女は俺の1日のはじまりになっていた。
すれ違いざまに、その香りがまた鼻をかすめる。
“あぁ、今日も頑張れる”
大げさじゃなく、本気でそう思えた。
彼女のことは、
いつも「Oさん(苗字)」って呼んでいた。
社会人として当たり前の呼び方だし、
むしろそれ以上の距離感は、踏み越えないようにしていた。
でも本当は——下の名前で呼びたかった。
呼べなかった理由は、いろいろある。
Oさんが働くその会社に、
俺は業務委託というかたちで2年間、出入りしていた。
立場としては“お客様先”。
だから、あまり派手なことはできない空気もあった。
あくまで外部の人間として、
一線を越えないように、周囲にも気を配っていた。
会社の人間関係、仕事上の立場、
そして……
呼んだ瞬間、自分の想いがバレる気がして、怖かった。
なにより、
彼女がもし「気持ち悪い」と感じたらと思うと、それが一番こわかった。
実際、そんなふうに感じる人もいるらしい。
「下の名前で呼ばれるのがムリ」って。
▶︎【もうムリっ!】下の名前で呼ばれるのが気持ち悪いと感じる理由と対処法
読んだとき、胸がズンと重くなった。
ああ、俺、やっぱり呼ばなくてよかったのかもな、って。
だから彼女は、ずっと「Oさん」のままだった。
ある朝、
いつもの香りが、どこにもなかった。
ふとした沈黙のなかで、俺は親しい男の同僚に尋ねた。
「あれ……今日、Oさんいないのか?」
特に何かを装うわけでもなく、
ごく自然に、でも気になって仕方なかったから。
「Oさん? 有給らしいっすよ。」
その一言で、
一気に、心の中の何かがしぼんだ。
ただ休んでるだけ。
ただそれだけのことなのに、
その日は朝から心に穴が開いたみたいだった。
Oさんがいない朝は、
まるで、1日が始まらないみたいだった。
指がふれたあの日|恋に踏み出せなかった理由
その日の午後は、いつもより穏やかなの空気感だった。
書類を片手に戻ってきたOさんが、
「ちょっと切っちゃって……」と、自分の指を見せてきた。
小さな絆創膏の下、うっすら赤みが残る。
「どら」
そう言って、俺は反射的にその指に触れてしまった。
ほんの一瞬だった。
でも、指先がふれた瞬間——
Oさんの表情が、わずかに揺れた。
びっくりしたのか、照れたのか。
いや、もしかしたら……
そのとき、“女の顔”をしていたのかもしれない。
でも、それが見えたのはほんの一瞬だけ。
次の瞬間、Oさんはいつものトーンで「大丈夫です」って笑っていた。
俺は笑い返したけど、
指に残った温度だけが、
ずっと消えなかった。
そういえばOさんは何度かゴミ出しについてきてくれたことがあった。
「手空いたんでお手伝いしようと思って・・・」
そう言って2人きりになったのを、俺はよく覚えてる。
その瞬間、俺の頭の中はフル回転だった。
(え、これ、もう攻めるしかないっしょ?)
(でももし変に思われたら?気まずくなったら?)
(いやでも今いかずしていついくの?)
そんなことをぐるぐる考えてて、
ちゃんと会話はしてたはずなんだけど……
何を話したかなんて、まったく覚えてない。
でも——
同じ会社の人から、「Oさん、彼氏いるらしいですよ」って聞いたことがあって。
それを思い出しては、頭の中の「いけそうかも」が、一気に「いや、やめとけ」に変わった。
送別の日、プレゼントと“伝えられなかった気持ち”
その日、現場を去る俺のために、
ちょっとした送別会みたいな空気があった。
みんな口々に「お世話になりました」と言ってくれて、
俺も「こちらこそ」と頭を下げた。
そして俺はOさんの様子を探る。
実は数日前、Oさんがふいに俺のところに来て、
こんなことを言った。
「えー、もういなくなっちゃうんですね……寂しい……(シクシク)
私雇ってください(笑)」
正直、可愛すぎた。
けど俺はまた、例の好き避け発動。
🔗 【好き避けの全貌】男女別あるある行動、その心理・対処法・体験談まで完全解説!
「いやいらねーし(笑)」
そう返して、笑いながら逃げた。
ほんとは、めちゃ嬉しかったくせに。
そして、最終日。
Oさんは俺のもとに、そっと現れた。
「ちょっとだけ、いいですか?」
そう言って連れていかれたのは、
2階の女子更衣室前だった。
人の目が届かないその場所で、
Oさんはロッカールームの中から、
静かに手提げ袋を差し出してきた。
「今までありがとうございました…」
声は小さかったけど、
寂しそうな素振りを見せながらも、明るく言葉をかけてくれた。
俺は思わず、
「ありがと、いい子いい子」って言いながら、
彼女の頭をなでなでした。
この人と過ごした時間と、
ふれなかった距離感と、
そしてあの日の香りは、
今でもずっと、俺の中に残っている。
家に帰ってから、
静かに袋を開けた。
そこに入っていたのは、
高級タオルとビールグラス。
センスがいいな、って思った。
たぶん、俺がビール好きなのも知ってて選んでくれたんだろう。
そっと、LINEのIDとか入ってたりして……?
そんな下心ありながら淡い期待もしたけど、
封筒も、メモも、どこにもなかった。
「……そうだよな」
でも、
袋の中身よりも、
あのときのOさんの表情と、
俺がなでた頭の感触が、
なにより強く記憶に残っていた。
👩💼みらい(編集部)
今回のお話は、照らすオフィシャル代表・わくいっちの、ある“未遂の記憶”からお届けしました。
まとめ|呼べなかった名前、残った想い
気づけば、
彼女のことばかり考えていた。
呼びたくても呼べなかった名前。
聞きたくても聞けなかったLINE。
もっと踏み込めたかもしれないのに、
自分から距離を置いてしまった。
似たような経験がある人、
今まさに“何もできずに想いを抱えてる”人もいるかもしれません。
あのとき行動してたら、
もしかしたら、何か変わっていたのかもしれない。
でも、大人になると——
ただ「好き」なだけじゃ動けないこともある。
そんな“好きな人のことばかり考えてしまう自分”に、
少しだけ疲れてしまったら。
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📌あなたの想いを、誰かに話してみるだけで、心が少し軽くなるかもしれません。
わくいっちも、そんな未遂を経てきたひとりです。
誰にも話せなかった気持ち、
ここでなら、そっと置いていっても大丈夫ですよ。
▶︎恋愛がうまくいかない人の“話し相手”になっています|わくいっち@ココナラ🔗
あのときより、今のほうがずっと話せることがあると思います。
うまくいかない恋や、タイミングがずれた片想い——
そんな“未遂の気持ち”を抱えたまま、
今、誰かに気持ちを聞いてほしいと思ってる人がいたら。
よかったら、一度声をかけてみてください。
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